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琥珀の中のDNAというファンタジー #アドベントカレンダー2022

こんにちは、TRYETINGの広報担当です。

アドベントカレンダー16日目のテーマは、「科学」。
TRYETINGが贈るアドベントカレンダー2022も残り2日となりました。そんな今日は、我々にとって遠いけれど実は近いネアンデルタール人にまつわるお話を紹介します。

クリスマスまでの期間に、窓をひとつずつ開けていく「アドベントカレンダー」。
昨年に引き続き今年も弊社公式noteにて、哲学や科学、テクノロジー、カルチャーなど、皆さまの知性を拡張するような様々な記事を、クリスマスまで平日毎日紹介していきます。

「私たちの中に生きるネアンデルタール人」

今日ご紹介するのはこちらの記事。

皆さんも映画「ジュラシックパーク」は一度はご覧になったことがあるのではないでしょうか。そこで登場する琥珀の中の蚊から恐竜の血液サンプルを抽出するといった方法、実にロマンがあると思った方も多いのではないでしょうか。私自身ももしこれが本当に起こったら、恐竜が甦り、その生きている姿をこの目でみることができるのではと胸が躍ったのを覚えています。

その後、様々な研究者がその実現を試みるものの、うまくいかず夢物語になってしまったと思われました。しかし、2010年に夢が現実のものとなったのです。

この記事では、2022年11月に、既に絶滅したネアンデルタール人の全ゲノム解析を人類で初めて完成させた等の功績を称え、ノーベル生理学・医学賞を受賞したマックス・プランク進化人類学研究所のスバンテ・ペーボ教授の研究に迫ります。

記事のイチオシポイント

教授は長年をかけて”クリーンさ”にパラノイアのように固執しながら試行錯誤を繰り返し、一切のDNA混入の無い完全なクリーンルームを整備し、実験者を少数に限定、古代人のサンプルに見られる特徴的なDNAの損傷をフレームワーク化して汚染部位と比較するなどの汚染対策メソッドも確立した。

パズル片から一つひとつ余分なDNAを取り除き、ネアンデルタール人に近いチンパンジーや現代人のDNAと比較して破れたページを復元して繋いでいく作業は途方もないものだったに違いない。そしてついに2008年、ネアンデルタール人のミトコンドリアDNAを解明し、2010年には核DNA全てを解読するに至った。人類が探し続けていた失われし記憶の書が、一冊の本として甦ったのである。

私たちの中に生きるネアンデルタール人


「汚染はDNA解析の深刻な壁」と筆者も言及しているように、ペーボ教授はDNA鑑定における「クリーンさ」に固執し、汚染対策メソッドも確立しました。地道で途方もないDNAの復元作業をひたすら継続していた先に、ネアンデルタール人の核DNA全ての解読に至った結果が待っていたと思うと、教授の達成感たるや計り知れません。

今や地球上には我々現生人類しかヒト属は存在していないが、ユヴァル・ハラリが「サピエンス全史」で指摘しているように、もしネアンデルタール人やデニソワ人がヒトとして私たちと今も共存していたら、私たちの価値観はどうなっていただろう。政治や宗教や差別や国や戦争は、どんなカタチをしていただろう。
(中略)
古から託された旧人類のDNAという記憶のゆりかごを我々は今受け取ったばかりだ。”我々はどこから来たのか”、この根源的な問いはこれからも新たなる発見へ、研究者達を突き動かしていくに違いない。

私たちの中に生きるネアンデルタール人

「我々はどこから来たのか」という大きな問いに普段思いをはせることはあまりありませんが、もしネアンデルタール人がヒトとして現代に存在していたとしたら、今我々の見ている世界は異なるカタチで存在し、見えていたかもしれません。この問いには、研究者のみならず我々も突き動かされる重要な何かがあることを思わせてくれます。

この年末年始、実家に帰省したりと家族や友人に会う機会も多いことでしょう。この記事が皆さんの大切な人を前に「我々はどこから来たのか」そして、「我々はどこに向かっていくのか(いきたいのか)」をゆっくり思考するきっかけになることを願ってやみません。

終わりに

いかがでしたでしょうか。より詳細を知りたい方は是非該当記事もご覧ください。

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